前回の記事にてSeratoがメジャーアップデートしたことをお伝えしましたが
今回はその目玉機能である「Serato Stems」について詳細を書いていこうと思います。
Serato Stemsとは?
Serato Stemsとは楽曲を4つのパート(Stems)に分割する機能のことです。
古くからTraktorに実装されていた機能ですが、これまでは既に分離されていた楽曲でしか使用できず、そのための専用音源を購入しなければならないため使用するハードルが高かったです。
昨今では機械学習モデルの成長から「既存の楽曲から自動で分離」する技術が出始め、有名なところではiZotope RXシリーズ、koekestraなどのサービスがあり主にDTMのRemix、bootlegにて使用されてきました。
そしてこの度、満を持してSeratoに搭載されました。
使い方
Serato Stemsの使い方はとても単純です。
楽曲のホットキューの下のこのマークをクリックするとStemsモードになります。
クリックするとこんな見た目になります。
あとはこのボタンをクリックするだけで使用することができます。
もしくは楽曲のキーの横に表示されているこのマークをクリックすることでも使用できます。
こちらは簡易版で上はVocalのみ抽出(アカペラ)、下はVocal無し(カラオケ)を生成します。
Serato Stemsの特徴
①リアルタイム音声分離
これまでの似たようなサービスではStems対応楽曲を用意しなければならなかったり、リアルタイムで実行するには時間がかかるor重すぎるなど問題がありました。
しかし、Seratoではリアルタイムで楽曲の音声を分離させることができます。
楽曲は下記の4つに自動で分類されます。
・Vocal
・Melody
・Bass
・Drum
下記3つは自分が検証したSerato Stemsの動画です。
精度やできることを各30秒程にまとめましたのでご覧ください!
これらはすべてリアルタイムで音声分離を実行したもので、動作環境としては
Macbookpro2021
macOS 12.5 Monterey
M1 Max
RAM32GB
となっています。
また、スペックが十分でないPCでは事前に解析をすることで負荷を減らすことができます。
しかし、純粋に楽曲のデータが倍となってしまうため一概におすすめできません。
PCのスペックをとるかストレージの容量をとるかは環境次第と言ったところでしょう。
②視認性
Seratoの優れている機能として視認性を良く上げますが、Serato Stemsに関しても同様に思っています。
Stemsにて分離したパートに合わせて波形表示を再構築してくれます。
通常
Vocalのみ
Melodyのみ
Bassのみ
Drumのみ
また、複数のStemsを選択すると下のように複合して表示してくれます。
Vocal & Drum
元々色合いによってどんな成分が含まれているかわかりやすいUIをしていますがここでも顕在です。聴覚だけでなく視覚的にもわかりやすいいいデザインです。
③PADによるDJパフォーマンス
ただ音声分離するだけでなく、PADプレイの使いやすさも抜群です。
上の段でON/OFFを、下の段のVocalとDrumのみはEcho outで、Melodyの下はInst Echo Out、Bassの下はinst Vinyl BrakeとなっておりDJプレイ時に違和感なく各パートを抜くことが可能です。
また、PADモードは対応している機材であれば「不必要なPADモードをStemsに置き換える」ことが可能ですのでStemsのために新たに機材を買わなくて済む場合があります。
gekkoのもっているDDJ-SP1は対象外だったので下記のようにFxボタンにマッピングしなおしましたが…
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