Serato Stems詳細レビュー

2022年12月12日月曜日

DJソフト DJ機材 DTM serato

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 前回の記事にてSeratoがメジャーアップデートしたことをお伝えしましたが

今回はその目玉機能である「Serato Stems」について詳細を書いていこうと思います。






Serato Stemsとは?

Serato Stemsとは楽曲を4つのパート(Stems)に分割する機能のことです。

古くからTraktorに実装されていた機能ですが、これまでは既に分離されていた楽曲でしか使用できず、そのための専用音源を購入しなければならないため使用するハードルが高かったです。

昨今では機械学習モデルの成長から「既存の楽曲から自動で分離」する技術が出始め、有名なところではiZotope RXシリーズ、koekestraなどのサービスがあり主にDTMのRemix、bootlegにて使用されてきました。

そしてこの度、満を持してSeratoに搭載されました。


使い方

Serato Stemsの使い方はとても単純です。

楽曲のホットキューの下のこのマークをクリックするとStemsモードになります。


クリックするとこんな見た目になります。

あとはこのボタンをクリックするだけで使用することができます。



もしくは楽曲のキーの横に表示されているこのマークをクリックすることでも使用できます。

こちらは簡易版で上はVocalのみ抽出(アカペラ)、下はVocal無し(カラオケ)を生成します。

Serato Stemsの特徴

①リアルタイム音声分離

これまでの似たようなサービスではStems対応楽曲を用意しなければならなかったり、リアルタイムで実行するには時間がかかるor重すぎるなど問題がありました。
しかし、Seratoではリアルタイムで楽曲の音声を分離させることができます。

楽曲は下記の4つに自動で分類されます。
・Vocal
・Melody
・Bass
・Drum

下記3つは自分が検証したSerato Stemsの動画です。
精度やできることを各30秒程にまとめましたのでご覧ください!






これらはすべてリアルタイムで音声分離を実行したもので、動作環境としては
Macbookpro2021
macOS 12.5 Monterey
M1 Max
RAM32GB
となっています。


また、スペックが十分でないPCでは事前に解析をすることで負荷を減らすことができます。
しかし、純粋に楽曲のデータが倍となってしまうため一概におすすめできません。
PCのスペックをとるかストレージの容量をとるかは環境次第と言ったところでしょう。


②視認性

Seratoの優れている機能として視認性を良く上げますが、Serato Stemsに関しても同様に思っています。
Stemsにて分離したパートに合わせて波形表示を再構築してくれます。

通常

Vocalのみ

Melodyのみ

Bassのみ

Drumのみ


また、複数のStemsを選択すると下のように複合して表示してくれます。

Vocal & Drum


元々色合いによってどんな成分が含まれているかわかりやすいUIをしていますがここでも顕在です。聴覚だけでなく視覚的にもわかりやすいいいデザインです。


③PADによるDJパフォーマンス

ただ音声分離するだけでなく、PADプレイの使いやすさも抜群です。
上の段でON/OFFを、下の段のVocalとDrumのみはEcho outで、Melodyの下はInst Echo Out、Bassの下はinst Vinyl BrakeとなっておりDJプレイ時に違和感なく各パートを抜くことが可能です。



また、PADモードは対応している機材であれば「不必要なPADモードをStemsに置き換える」ことが可能ですのでStemsのために新たに機材を買わなくて済む場合があります。

gekkoのもっているDDJ-SP1は対象外だったので下記のようにFxボタンにマッピングしなおしましたが…



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